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犯人につぐ

トラバでボケましょう2008 初秋 レベル8 開催!

トラバでボケましょう 2008 レベル8 お題:
犯人に告ぐ!



「犯人につぐ!
 基本は水だ。それだけは忘れるな!
 水を守れ。そして上に立つたる者、常に周りへの目配り気配りを忘れるな!」

「うるせー! 継がねえって言ったら継がねえよ!」

「犯人につぐ!
 まあ、飲め」

「事故米混入疑惑の清酒を注ぐんじゃねえっ!」

「犯人につぐ!
 おまえに弟がいたら、それが・・・次男だ」

「うるせえ! 次いで男が生まれていたら苦労はしてねえ!」

「犯人につぐ!
 そのたすき、短か過ぎるから接いでおいたぞ」

「あ、ども。
 ・・・ていうか、たすきなんかいらねえ!」

「犯人につぐみ!
 あいつは警戒心が強過ぎる、所詮野鳥だ」

「わりぃけど話が見えねえよ!」

「犯人につぐなう!
 確かに母さんが出て行ったのはオレのせいだ!」

「うわあ。
 おふくろは死んだんじゃなかったのよっ!」

「犯人に告ぐNOW!
 思ったほどネタがなかった」

「あんたはいつもそうだ!
 生き様が行き当たりばったり過ぎる!」

「はんにんに告ぐ!
 おまえなんざ、まだまだ半人前だ!」

「そんなこたオレが一番承知しとるんじゃあ〜〜!」

「はんにんに告ぐ!
 実はおまえが半人なのはおまえの母親が魚だからだ
 かあさんは海に還った」

「オレはポニョかよっ!?」

「はんしんに告ぐ!
 ペナントレースはまだ終わっていない!」

「阪神ファンなら大阪弁しゃべれよ!」

「はんに告ぐ!
 4人で隊列を組むなら、1列か2列にしておけ!
 3列だと半端だからな」

「組まねえ! つか4人いねえ!」

「はんにゃに告ぐ!
 うらみつらみは俺があの世に持って行く!」

「だいぶ、苦しくなってきたんじゃねえか?」

「犯人に告ぐ!
 おやつは300円まで」

「バナナはおやつに入れるのかよ!?」

「犯人に告ぐ!
 おうちに帰れるまでが犯罪です」

「・・・・」

「犯人に告ぐ!
 そろそろおわかれの時間だ。
 隠蔽工作はしっかりな」

「・・・・」

「ハンニバル!
 さらば、我が息子!」

「親父、親父ぃ〜〜〜っ!!!」

「犯人に告ぐ!
 バババンババンバンバン、また来週〜〜〜」


(時間切れ)

■□■□■□■□■□【トラバでボケましょうテンプレ】■□■□■□■□■□
【ルール】
参加:
 お題の記事に対してトラバしてボケて下さい。
 締切りは1つのお題に対し30トラバつく、もしくは次の火曜日夜中まで
 1つのお題に対しては1IDにつき1トラバ(1ネタ)とします。
 お題が変われば何度でも参加OKです。

チャンプ:
 お題を出した人が独断で審査しチャンプ(大賞)を決めます。
 チャンプになったら王様です。以下の特典と栄誉が行使できます。
  1.お題を出す
  2.言いたい放題な審査をする
  3.次のチャンプを決める
 何か困ったことがありましたら開催事務局までどうぞ。

企画終了条件:
 みんなが飽きるまで、もしくは開催事務局が終了宣言を告知した時です。

参加条件
 特になし!
 ※ 以下あれば尚可!!
 ブログをもっている。あるいはこれから作成する。
 トラックバック機能が使える。

 ※誰でも参加出来るようにこのテンプレを記事の最後にコピペして下さい。

 企画元     毎日が送りバント http://earll73.exblog.jp/
 開催事務局  ボケトラの穴     http://trana88.exblog.jp/
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# by Ks_trunk | 2008-10-01 00:06

第7回優勝作品発表

講評1〜16
講評17〜30

 しかし、お銚子飲み過ぎました。もとい、お調子乗りすぎました。幅広く参加を呼びかけたところ、印度人もびっくりの(いつの流行語だ)MAX30作品が集まり、当然のごとく審査は難航しております。この際「どうしようかなあ〜」という思考の迷走もそのままに発表記事を書いたらどうなるのか?
 私も最終的に書かれる名前が誰だかわからないまま、候補作を消去法で紹介して行こうと思います。(えー。)ライブ感たっぷり。お通し食べ過ぎですか?

 候補ではないのですが、まずエントリーNo.12No.29については触れておかなければなりません。この二作品はトラボケ名物「ボケていないけれどすばらしい作品」です。こういう作品が読めるのもトラボケの醍醐味のひとつですよね。大変に残念ながら優勝することは決してないのですが。

 そしてボケ的王道であり、完成度も高く私の好みにもぴったりという、本来ならどちらかが優勝してもおかしくない作品がエントリーNo.4No.13です。どちらも割と最近チャンプになったばかりだ、というごく政治的な理由で今回はチャンプを見送りました。ごめん。

 お次は瑕あり物件です。エントリーNo.20No.23。どちらも大ラスのネタが既出でした。たとえ細かいネタがかぶっていても、二作品とも他にたくさんネタふりがあるのでそんなに気にならなかったと思うのですが、大ラスが決まるか決まらないかは結構重要なファクターかと。あくまで私(王様)の個人的な審査基準ですが。瑕があって尚、優勝の選考に残したボケ度の高さなのですが、やはり最終的には涙を飲んで消去。残念。

 えーっと、こんな感じで手元に残った候補作品はエントリーNo.10No.19No.26の3作品です。



この中から全30作品の頂点に輝いたのは・・・

じゃじゃじゃ〜ん

# by Ks_trunk | 2008-09-21 14:49

オープン参加作品感想

やっぱオープン参加作品はわけますわ。
講評1〜16
講評17〜30


35・生活記録 in Macau sabretoothjapan (Everything in Life is Only for Now)
 フィクション部分よりもノンフィクション部分に衝撃を受けた作品(?)です。だって日本代表ですよ? いやあ、もう旅路でトラボケのこととか心配しなくてもいいから。それよりも試合、頑張ってくださいね? という感じです。そして野菜ももっと食べてください。


34・俺のスケール midnight_egg(やみくもバナナメロン)
 さすがにこれの感想を書くほど図々しくはなれないです。自作自演おつ。


33・穴までの道 jpg-cafe(.jpg cafe)
 はい、これが正しい「発想の素見せちゃいます」的作品です。おっしゃる通り「つまづく」と「つまずく」、表記に違和感があります。実は私自身「つまづく」と覚えていたクチ。でもパソコンの辞書が変換してくれなかったのでおそらく「つまずく」が正しいのあろうと思う次第。(もっとも「ことえり」の変換なんて半分も信頼していないのですが。)たぶん作者自身がお題を見たときに感じた引っかかりを素直に昇華させたのでしょう。「引っかかり=つまずき」とも言えるので「著者自身が経験したつまずきを考察する」ことで成立していると言えます。
 さらにお題の文章で敢えて曖昧にしてある「穴がどこにあるのか」「どんな穴か」「果たして転んだのは穴のせいなのか」という部分でいろんな可能性をきっちり検証してくださった形跡もあり好印象です。
 たぶん言葉や文章に対する感性が鋭い人です。


32・黒い穴 kurobungo(黒文豪の妄言)
 黒文豪のところに出現する穴はブラックホール。見事なまでの整合性に舌を巻きました。そうですね、それ以外あり得ないですね。しかし、このブラックホールはかわいいです。家に一匹飼いたいですね。
 主人公はもともとなんでもそこへ、みたいなところもあって、あれ? 卵と鶏どちらが先か、とも思いました。に、しても彼女ならやりかねないというリアリティがあります。


31・真夏の夜の夢 momobungo(桃文豪の艶言)
 おお、落ちたかと思いきや、また落ちて、さらにまた落ちる。その構成も密度の濃さと暑苦しさを強調してもうむんむんです。主人公の僕はいったい誰なのでしょう。同情を禁じ得ません。
「○○アナ復活」のニュースにそんなに興味があるわけでもないのについつい反応してしまう同世代。これもタイムリーに投稿されたのですが、講評子が時代のスピードに(以下略)。

↑【ここよりオープン参加作品】↑

# by Ks_trunk | 2008-09-20 22:25

唐突に再開しだんだん増えて行く講評(2)

読みづらくなって来たのでブロック分けます。

講評1〜16はコチラ
オープン参加作品感想


30・hole hole hole tana_suna(雨中 砂場あそび)
 相変わらず(?)うまい絵です。それだけでも結構高得点です。
 三本立ての構成になっています。一本目、二本目が昔話や最近上映された映画なので、読み手は三本目も知っているお話かな?と思いながら読んでしまうと思います。頭の中に儚げなお姫様の出てくるお話のストックを探してしまうのです。枕と本題がうまくつながっていない感じ。オリジナルでもおとぎ話っぽくふらませるか、それでなければ既存の昔話を使って落とすかどちらかだったかな、と思いました。昔話には取って食われそうになるお話はいくらでもありますし。
 絵と文の関係がもったいないです。絵を見ながら文でオチを説明するというよりは、絵を見てオチがスパっとわかる感じにならないかな、と思いました。単にレイアウトの問題のような気もしますが。いろんな意味で惜しい感じがする作品。


29・ jamacou(羊のトライアングル)
 イマジネーションが一歩飛び抜けていて、ぐいぐい読まされます。星新一のようでもあり、寓話のようでもあり。お題の問いである「この穴は何?」に対してあまり重視していない作品や答えていない作品も多い中、真っ正面からがっぷり四つに取り組んで下さった作品であるように思いました。
「不思議な穴」のバリエーションとして完全にオリジナルであるところもすばらしいと思いました。そして意外なオチ。このニヒリズムはやはり星新一だ、と思います。作品の完成度としては満点です。本当にただ惜しむらくは一点のみ、ボケていないことだけですね。でも満点。


28・○○体質 buumi(万人ニ旨イモノナシ)
 あまりにも流暢で自然な滑り出しに、これは実話なのであろう的凄みを感じさせます。実話じゃないですよね? 実話かしら、こわ〜。イマジネーションにリアリティがあって、しかもそれを淡々と語っているので怖さ倍増です。
 コレが全部枕なんですよねえ・・・。もうこの人がチリッと来たら絶対何かありますね。ものすごい説得力です。で、これは寝てるだけですよね? 落ちてるんじゃなくて。さすが野生児。


27・ :『神様!』 nako1111(与太話びより。)
 ご自分でオチてないと書いていらっしゃる方は多いのですがオチてますって、ちゃんと。冒頭オリジナリティ溢れる神様の登場にぐいっと引っぱられ、主人公も読者もその口調とペースに巻き込まれていきます。キャラ造形がウマイですよね。
 あ、なんかイイ話になるのかな、と思わせておいてラストは辛口。お見事でした。
 作品全体に漂うこののほほんとした雰囲気は計算しているわけではなくてこの作者自身の持ち味なのだろうと思います。得難い武器をお持ちです。


26・セッボネセッボネ 無知園児( プリティかつ怠惰に生きる )
 ワータースィー。はい、この声は山寺宏一さんですよね、わかります。セッボネセッボネ、なんなんでしょう、このタイトルだけでもう笑っちゃったのですが。
 そして誰も走っていない世界を独走中です。セッボネセッボネ。このキャラは私の脳内にかなり具体的な感じで居座ってしまいました。どうしてくれるんだ、おい? 山ちゃんだったら瞬時に気分の変わるこの人を見事に演じることでしょう。あ、それはいいとして。願いごとの物語で、この主人公の基本姿勢というのは非常に新しかった、と認めざるを得ません。
 それと魔人っぽい人、アンタただの暇人ですか?


25・この吾が身の成り余れる処をもちて、汝が身の成り合はざる処に absinth(夢見るかえる)
 ええ、もう。穴と言ったらこれですよね。ある意味、王道です。他に誰も書かなかったけれど、私的には(笑)。
>深さには果てがなく、古さには起源がなく、
 なんという心地の良いリズム、もはや詩ですね。
ご本人は「下品」と貶められておられますが、むしろ神話的荘厳さを感じました。そもそも神話とか創世譚というのは古来こういうものではなかったでしょうか。また、たぶんものすごく悩まされていらっしゃるであろうソレを有効活用した、というのも新しかったと思います。


24・ボケトラバ レベル7 - 穴 アナ あな itchys(『どblog』)
 この絵、この駄洒落。文句なしです。サイコー! TOKYOろまん地下て・・・。あと3つくらい手描き駄洒落が入っていたらノンタイムで優勝だと思います。マウス絵も私のツボですが、3コマ目の枠の外にいるチェブラーシカのできそこないみたいな謎の生き物もすごくツボです。小樽って字をマウスで書くの大変だったと思うんですよ。ネタがどれも微妙に昭和なのもなんかいいんです。ん〜。やっぱりあと3つくらいはたたみかけて欲しいかな、うん。


23・トラバでボケましょう2008夏秋 レベル7 tasaki_uni(楽し気に落ちてゆく雪)
 さあ、困ったぞ。ある意味この時点でもっともチャンプに近い女ですよ(このあともっともチャンプに近いおかまが出てこないように祈っていてください)。好きですねえ、この女性のキャラ。ごく普通の相づちや日常会話の中でこれだけ語呂合わせができるとはオドロキでした。なんだか、この間とテンポが独特ですごくおもしろいです。
 さてしかし。大オチが3ブログかぶりました。やはり大オチはかぶりチェックしたほうがいいですね。早い者勝ちだと思います。
(〆切り後にオチを付け足されましたが完璧。元からこれで参加してくださってたら文句なく優勝っぽかったと思います。困ったな。)
追記:今気付きましたが、付け足されたオチも実は既出でした。これだけエントリーがあると未踏の地を見つけるのも大変です。でもこの作品、問題のラスト部分以外ではかなり未踏の地を開拓しているのですが。


22・トラバでボケましょう2008夏秋 レベル7 t2mina(footprint)
 一発ボケです。ダジャレです。シンプル・イズ・ベスト。ネタの弱さを絵で補う手法は今回ほかのエントリーにもあるのですが、この人の場合は絵でボケて落としているわけではありません。この絵の普通に挿絵的な感じがボケのばかばかしさとギャップを産んでたくまざるボケワールドを確立しているように思いました。せっかくかわいい女の子にけつまずいたのだからそこからもう少し世界を広げられた気もします。たぶんそんなにヘンな名前じゃないようにも思いますし・・・。


21・穴と交わす最後の一問一答 epole(自動販売機と地域経済)
 はからずも、この人の真意は本当にこういうことだったのだろう、と深く納得しました。最初「周りが穴だらけ」と言っていたのは心象的暗喩かと思っていたのですが、読み進めていくうちに文字通りそれが「穴」であるということに気付き目からウロコでした。ただの駄洒落がこんな形に・・・。新しいボケのスタイルを切り開いていると思います。ラストは最新の流行語。タイムリーさで突出していました。(投稿時。講評が時代のスピードについて行ってなくて申し訳ないです。)
 ラストにはぜひこの人のAAを貼っていただきたかった。迫力満点だったと思います。


20・アナーキストと狐つき なりっと(Life is Statistic)
 さすが特攻トラボケ盛り上げ隊長の作品。一手ごとにボケる、一行おきにウマいこと言う。これは大事です。そして大変なことです。トラボケの原点です。途中でツッコミ役がオチを先回りして言ってしまうあたりも好きです。とにかく獲物が可愛過ぎてムリです。自分で落ちるのも王道です。原点。
 他の小ネタはともかく大オチがかぶってます。減点。でもコメント欄の「ボケツにも階段を。」が妙にツボにはまってしまったので相殺。この作者はコメント欄でよりおもしろいことを言いがちなので要注意です。あとカウンターの向こうとかで。


19・須藤零次博士の復讐 Returns jemini-web(極秘計画資料室 [Jemini's Blog 4th edition])
 レトリックがきたきたきたきた〜! うまい。いくつもいくつもいろんな「穴」が散りばめられていて、ラスト三行では大盤振る舞いです。こんなアカデミックなボケが今まで存在したでしょうか? 概念的穴っていう角度の発想がすごいです。人物造形が魅力的なのもいいですね。携帯が鳴るくだりとかすごい好きです。AAAAMのネーミングセンスも最高。長い長いと気にしておられますが、この長さの最後の最後のオチの部分がちゃんとお題の答えになっている、というのはむしろ感激でした。


18・優雅な日曜の午後だったはずなのに。 miew05(mew★mew)
 別に穴につまずいたとは書いていないよね、というところを突いてくださったのもなんとなくうれしかった作品。これは確かに目眩を起こして当然と言えましょう。もし穴に落ちなくても奈落に落ちて行くような心象具合でしょうね、という共感度です(当社比)。日曜の昼下がり、ちょっぴりランチを奮発して、オサレなサロンに寄り道したら・・・ああ、きょわいきょわい。穴、と聞いて即座にそこに連想がいった妙齢具合に拍手です。


17・トラボケ れべる7 uguugu333(La torre。)
 ラジバンダリ! さすがネタフリにイキのよさを感じさせます、このテレビッコめ! ボケ的王道の世界がうれしいです。
 懐かしい名前との再会に虚を突かれましたが、ここはオリジナルキャラで通してしまってもよかったと思います。この方の力を借りなくても十分に耐震ジェルです。惜しい。


# by Ks_trunk | 2008-09-20 17:29

唐突に始まりだんだん増えて行く講評(1)

 自分がどんなお題を出したかも忘れてしまった今日この頃ですが、みなさまお元気ですか? とにかく全作品ファーストインプレッションで感想は書いてあるのです。それをつらつらと直しながらだらだらと増やして行きます(えー。
(新しい講評がどんどん上に増えて行きますよ)

講評17〜30はコチラ
オープン参加作品感想


16・トラバでボけましょう2008夏(秋) に投稿してみた Kurt.(2+2=5)
 冒頭、すごく読みたくなる滑り出し。作者はオチがつかないと書いておられますが綺麗にオチていると思います。文章が気持ちいいですね。モノローグが流れたまま口調が転回する瞬間もウマイと思います。
 ところで、彼女はなぜそもそもそんな目に遭ったのか・・・。ミステリー的種明かしもちょっとほしかったような気はしますが、長さとテンポがちょうどよい感じなので、入れるとバランスが崩れるかも。敢えて彼女の今の気持ちにだけ焦点を当てたこの形で正解なのかもしれません。


15・トラバでボケましょう?!ストーキング ekino_taro(ScienceFictionShortStory)
 サイエンス・フィクション、いい響きですね。思わずロッキー・ホラー・ショーを歌い出したくなりました。これは○○トリックというか。せっかくの仕掛けのネタバレがやや早過ぎる気がしました。というか、やっぱりラストでばらしてオトしてほしかった。同案異曲ネタが清水義範にあったと思うのですが、ネタばらしの間までにいかにどちらとでも取れる叙述を詰め込みひっぱれるかが勝負のアイデアだと思います。
 応募作ではない記事で連載中のSF小説「僕の電気はあの子のパソコンを動かすのさ」がむちゃくちゃおもしろいです。こちらの完成度に心奪われて応募作にはやや辛口になりました。この文体もかなり知っている気がします。なんとなく著者は女性だと思っています。違っていたらごめんなさい。続きも楽しみにしています。


14・トラバでボケましょう2008夏秋 レベル7 ho_neko(放浪猫の遊び場)
 シンプルなお題にシンプルなボケ。直球勝負ですが、ボケの原点はこういうことだったはず。キレもよくて清々しいです。「ボケ」とWでダジャレになっているのが嬉しいですよね。
 そしてこういうネタは早い者勝ちです。あとから応募する方はざっとでもやはりダブリ・チェックは必要でしょうね。


13・ rei_ayakawa(宇宙のどこかの片隅で。)
 もう好みの問題でしかないのかもしれないのですが、ここまでの応募作の中でもっともチャンプに近い男ですよ、むちゃくちゃツボを突かれまくりですよ。前回チャンプなのでチャンプにするとチャンプのキャッチボール、それはいかがなものか、というわけでチャンプにはしませんがオレの心のチャンプ(応募時点)ってことでひとつよろしく。チャンプチャンプ。
 一度チャンプを獲得した余裕からでしょうか。ラクに楽しく書いていますね。序章、特に好きです。「その穴は何?」というお題に対して「○○の穴」ときちんと答えているところ、それに絡めたラストが軽くも深くも読めるところ、どこを切ってもエライと思います。チャンプチャンプ。


12・美ら海 sofia_ss(SOFIA_ SS)
 うまいですねえ。正直これはとても好みのテイストです。ご本人もコメント欄で書いておられる通り、しょっぱなのアイデア(たくさんの穴と宇宙人)がひとつ前のkatuo0076さんとかぶっているのです(トラックバックの時間から、ほとんど同時に書かれていたものと思われます)。そして私が個人的にはkatuo0076さんのほうで惜しいと思ったところを存分に生かして料理されています。
 端的で過不足のない文章も気持ちがいいです。怖いオチなのになんだか気持ちのいいのんびりとした余韻のある読後感が不思議。タイトルも味わい深いです。
 こんな終末ならそれはそれでいいかもしれないですね。


11・地上の星。 katuo0076(カツオくんは永遠の小学生。)
 前ステージ、前々ステージを通しての唯一前人未到の皆勤賞、通算27作目のトラボケ参加作品です(グラチャン大会を入れれば28作)。過去最多の3回チャンプ獲得も伊達ではないのですね。それを踏まえた上で、この作品は「参加したことに意義がある作品」以上でも以下でもないと辛口にならざるを得ません。
 前フリが長いですね。この作者の持ち味であるノリがうまく流れていないな、という印象です。元ネタのCMもそもそもよくできているボケなので素材以上のボケを重ねるのは難しいかも。
 語り手が途中からいなくなって主人公が変わってしまってます。中途半端にイイ話にまとめてしまったのも持ち味が生かし切れていないところだと思います。「穴がたくさんある」というのは絵的にもおもしろいアイデアだし、未出だったのでそれを生かした展開にならなかったのももったいない気がしました。


10・トラバでボケましょう2008夏秋 ormoa(ばれたら妻に殺されるblog。)
 私、これ好きです。意外なオチという意味では一番意外だったかも。ラストの二行がまったく想像の埒外の着地点で気持ちよく裏切られました。意外な着地は内容だけではなく主人公も、でしたね。
 笑えるだけではなくそこはかとなく幸せな気持ちになれるところがなんかよかったです。


9・おもいでがいっぱい miniusagi52(明日 晴れるといいな)
>別れるとか面倒くさいし。
 日記のようにさりげなく始まった冒頭、デートに向かいながらの主人公のモノローグ。これが主人公の性格を表す伏線になっていてテクニシャンです。 
 異次元への入り口であるところの穴にまず主人公が昔飼っていたカメが出現するのはエンデの「モモ」を彷彿とさせて象徴的な感じがしました。次々に現れる主人公の思い出の品、このままラベンダーの香り的ノスタルジーへと思いきや、主人公をいともたやすく奈落の底に突き落としてしまいました。かわいい顔をしてさらりと残酷。萌え。


8・Norwegian Stump (ノルウエーの切り株) bucmacoto(北の夢想科学小説)
>ばかせとは・・・解説無用であろう。 博士や大臣が偉い人ならばその正反対のおろか者だ。
 解説必要だろう。一行おきに絶妙に突っ込ませてくれる旺盛なサービス精神。導入部から心わしづかみにされました。よろしく、ばかせ!
 見事なレトリックで流暢に語られる物語世界。
>株は切り株を残して尊敬は霧散してゆくのだった。
 このあたりではお見事! と膝を打ちたくなりました。
 切り株にちょこなんと座る老人とその上空にぽっかり空いた穴。味わい深い一幅の絵のようで、テンプレ後の小難しいロジックや画像ネタは別なネタと割り切ったほうがよかったかな〜、と。アイデアがいっぱいあるのもそれぞれが捨てがたいのも(おもしろいです、それぞれ)わかるのですが、本編の余韻を断ち切ってしまうようでもったいない感じがしました。


7・ colortail(よかった探し。)
 まず本文では穴のことはいっさい語られていないし一読したときにはどこに穴があるのかがわからないと思います。次に注意深く読み返してその穴がどこにあるのか腑に落ちたとき、その風景とのどかな言い回しとが鮮烈な落差になって胸に迫ります。
 その落差はこの現象が明るく広々としたアメリカの農場のど真ん中に出現した違和感をも表しているようです。そして全編が美しく短い詩のようでもあります。


6・ボケトラバ レベル7に参戦! moufu34(ぶちまけ部屋〜カムバック〜)
 正しい発音よりもそこをどくのが先では? すぐにつっこみを入れたくなる正統派のボケであると言えるでしょう。その骨子であるシンプルなダジャレをどでかめのスケール(宇宙規模ではなく特撮映画の規模であるところが重要)で描き出した怪作です。
「小さい山ほどあるはつろう」<あらゆる意味で天才にしか書けないフレーズ。脱腸であります、いえ、脱帽であります。昔話絵本風のキャラクターと正確な飛行機のフォルム、すばらしい画力を無駄に使い切り見事です。さりげなくモチモチの木風のタッチが〜。芸が細かい。


5・『トラバでボケましょう2008夏秋 レベル7』に参加! cnabkam(ネコは「ぱるぷんて」をとなえた!)
 一読して天然だよなあ〜、と思いました。穴があったから埋める。主人公、なんだか急いでいる風なのにその行動には微塵の迷いもありません。そしてよりによってそんなもので埋めようとは思わないでしょう、フツーは。作者が「フツー」に前提にし展開している部分がすでにボケです。そして急いでいる主人公が、こんな道草を食ったくせに遅刻することもなくフツーに間に合った会場で何を困ったかというと・・・。
 これに向かう途中に転ぶ、って縁起をかつぐ向きには結構大変なことだ思うのですが「消しゴムフェチな俺」はそのあたりを全然意に介していないのが豪快で素敵。「どどでか消し(SEED)」にこだわり過ぎなのは主人公なのか作者なのか。ある意味たいへんにアレです。


4・大地の唇は 将来を予見する。 e_vans(自称ダンディ文豪(自称)の戯(ざ)れ事)
 キター!!! これこれこれですね。ストライク・ゾーンど真ん中、私がお祭りの鬼の人形なら今手を挙げて「がおー」と言っているところです。えーっと、形式の話ではなくお題の答えとしてのこの設定ですね。この手の展開は待っていましたねえ。
 そして私の大好きな駄洒落捏ねたの欧州豪華一周、いえ、コネタの応酬。ラストも華麗に決まっています。


3・彼とのデートに遅刻した時の対処法 yumi_si(こんなときどうしたらいい?〜対処法のススメ)
 一見、ほのぼのとかわいらしい作品。でも、歯切れとテンポのよさに流されて見逃しちゃいそうなところで、かなり細かく作為的にボケていると思います。
>穴の中には、異世界がひろがっていた。
>私の予想通り、あの言葉は穴に入る呪文だったらしい。
 だいたいが、これが「遅刻したときの対処法」だというならそこが大いにボケてますし。ラストのオチが物足りないような気がするのですが、それはキャラクター造形を優先した結果でしょうか。書き手である女性を創造してブログ自体がその女性のブログであるという、かなり手の込んだことをやっています。ちなみにほかの記事もクレバーでかなり私好みです。応募作よりもブラックなものが多いですが、デジャヴというかはっきりこの作風知ってるゾ、と感じるのはまあきっと気のせいなのでしょう。それが男性のような気がするのもきっと気のせいなのでしょう。


2・トラバでボケましょう2008夏秋 レベル7 unnyo8739(暇つぶしのウナギ御飯)
「そもそもなんだこの出っ張りは」から展開する強引な理不尽。こういうの大好きです。惜しむらくは全編べらんめえ調で押してほしかったところ。というか前半の私小説風の描写いらないですよね? 転んですぐに穴との会話が始まってもよかったかな?
 読んでいてしゃべる「穴」のアニメーションが脳裏に浮かびました(教育テレビの子ども番組的感じで)。綺麗に落ちてます。


1・気になる穴  MemenDers(ダーサの庵)
 タイトルいいですよね、気になります。冒頭のっけから話を大げさにしてしまっているので大ボラがインフレ現象を起こしています。モノリス(人類の進化)あたりで大ボラはエントロピーに達しますが、そこでくるりと内容はガンダム年譜になってしまいました。ぬー、ここからが腕の見せ所だったのにな〜。
 とはいえ、相変わらずのロケット・スタートでこの詰め込み具合はやっぱりすごいと思うのです。じっくり存分に練り込んだ作品で勝負してきたらどれだけの真価を発揮するのか? と常に思わせるのがダーサの赤い彗星(ダサイ彗星)のニクイところです。

# by Ks_trunk | 2008-09-18 08:49